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他人になりすまして生きる度胸と苦痛【火車】宮部みゆき

 

火車 (新潮文庫)

火車 (新潮文庫)

 

 宮部作品もういっちょ。

ラストのその先が気になって気になって堪らない。

うわっ、いいところで切ってくれたな宮部女史!と、ぶるっと震えた1冊でした。

 

(注意!ネタバレあります)

本間俊介というおじさん刑事が主人公です。勤務中に怪我をしたため現在休職中、リハビリに励む毎日です。

そんな本間のところに、亡くなった妻の従兄弟の息子という青年・和也が訪ねてきます。用件は人探し。自分の婚約者が突如姿を消したとのことで、警察に勤めてるおじさんならこういうの簡単でしょ頼むわーみたいな、なんか腹立つ依頼の仕方です。

 

婚約者の名前は関根彰子。そんなに苦労することもなく行方が見つかりそうだったのに、探している関根彰子は、実は関根彰子ではないのではという疑惑が出てきます。

本物の関根彰子は亡くなっているっぽい。

ではこの関根彰子と名乗る女は誰?

 

調べていくうち、新城喬子という女性が浮上してきます。

彼女の過去が壮絶なものだったことが、本間には分かってきます。

逃げて逃げて、逃げる毎日。

 

「新城喬子」が無くなれば、逃げずに済む。

それなら、違う誰かになればいい。

 

本間がその結論に行き着いたときに連鎖して気付いたのが、喬子は「関根彰子」を捨てたということ。「条件」が悪かったから、「彰子」を辞めた。

それなら、別のターゲットを探して行動を起こすはず――――

 

ターゲットを守れるように、喬子がこれ以上罪を重ねないように。

次なる喬子の「身代わり」は誰なのか。

先回りをすべく、本間は時間との戦いに挑みます。

 

***

 

前回の「魔術はささやく」もそうでしたが、これも社会派ミステリです。

社会の闇を切り取って、そこに堕ち込んでいく人たちにスポットを当てています。

発刊が20年以上前になるので、社会の闇部分も現代は随分変わっていると思いますが、基本的なところとかは変わらないので、読んでいてとても勉強になります。

 

喬子が極悪人ではないだけに、なんか勧善懲悪の気持ちになれず辛いところ。

 

 

そしてなぜか韓国で映画化されてたっていう不思議。

ラストが加筆されてるらしいので、ううん知りたいようなでも知りたくないような。

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