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サブリミナル効果ということばをこのとき初めて知ったのであった【魔術はささやく】宮部みゆき

 

魔術はささやく (新潮文庫)

魔術はささやく (新潮文庫)

 

ちょっと懐かしいものをひとつ。

 

宮部作品大好きです。といっても偏りがありまして、現代ミステリばっかり好きで読んでいます。ファンタジー系と江戸時代系(?)は手に取ったことがなく……食わず嫌いですね。読んだらきっと面白いんだろうけども。

 

私が初めて読んだ宮部作品がこれでした。中学3年のとき、友達が貸してくれたものでした。その頃からすでにミステリは好きだったのですが、「宮部みゆき」は知りませんでした。初めての宮部作品であり、そして読んでみたらこれもまた初めてであろう、催眠術ものでした。表紙もなんか怖いし(当時はそう感じた)、事故現場の描写もエグいし(当時はそう感じた)、なんかいろいろ衝撃だったのを覚えています。

 

主人公は高校生男子です。

ワケアリの事情で、叔父の家で暮らしています。叔父はタクシー運転手。

ある夜、叔父の運転するタクシーの前に女性が飛び出してきて、亡くなってしまいます。叔父は相手が突然飛び出して来たのだと主張しますが、目撃者もおらず証明が取れないため、拘留されてしまいます。

 

その後、主人公のところへ不審な電話がかかってきます。

 

彼女は死んで当然だった。殺してくれてありがとう。

 

主人公はワケアリの事情で、いろんなものの「鍵」を開けることができます(ワケアリの事情多すぎィ!)。犯罪に使うことはしませんが、この電話に何かあると感じ、亡くなった女性のアパートを調べることにします。

 

その結果出てきたのが、彼女が「過去にしたこと」。

そして、関係者が全員自殺していることに気が付きます。

 

いつの間にか犯罪の深層に巻き込まれてしまっていた主人公は、自分の過去とも向き合うことになります――――

 

***

 

携帯電話の姿が世間にちらほら見え始めたのが、作品の初版(1989年)のころ。

作品中にはまだ携帯電話は登場しておらず、公衆電話が大活躍です。今読むとそのへんの時代のギャップにおおぉッってなりますが、それでもすごく興味深い面白い。同時にちょっとゾッとします。

 

電話ひとつで相手を自殺に導ける。マインドコントロールのプロ(?)が本気を出せば、そんなことなど容易いのだと怖くなりました。

 

ちなみにこの小説で私は、サブリミナル効果ということばを初めて知りました。そういう感じのやつ、あるっけ?と思って、作品中にあるとおり、デパートの大画面テレビを観察してみたこともありましたが、あんまり分からなかったなあ……という空しいオチ。