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このコスプレは真面目なのか。【バッタを倒しにアフリカへ】前野ウルド浩太郎

 

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

 

 表紙撮影のためにわざわざ着た、ウケ狙いの衣装かと思ったら違った。

きわめて真面目な自作(※研究用1%、己の欲求99%)の衣装だった。

 

前回の鳥類学者のエッセイとほぼ同時期に出たんじゃないかと記憶しているのですが、勘違いだったらすみません。

個人的にはその印象が強くて、似たようなの(動物科学エッセイというか)が示し合わせたようにポンポン出てきたな!と思ったものでした。

 

こちらは昆虫学者。バッタが専門です。

バッタの研究をするために、単身モーリタニアへ飛んだ昆虫学者。名前に「ウルド」が入っているのは決して彼がハーフとかではなく、向こうで「バッタの研究!なんてお前は偉いんだ!(意訳)」と褒められて、なんか授かった名前らしい。

 

”……小学校の頃に読んだ科学雑誌の記事で、外国で大発生したバッタを見学していた女性観光客がバッタの大群に巻き込まれ、緑色の服を喰われてしまったことを知った。バッタに恐怖を覚えると同時に、その女性を羨ましく思った。その頃、「ファーブル昆虫記」に感銘を受け、将来は昆虫学者になろうと心に誓っていたため、虫にたかられるのが羨ましくてしかたなかったのだ。……”

 

”……虫を愛し、虫に愛される昆虫学者になりたかった。それ以来、緑色の服を着てバッタの群れに飛び込み、全身でバッタと愛を語り合うのが夢になった。……”

 

***

 

前回同様、「学者」のイメージを私から良い意味で払しょくしてくれた、笑いのセンスにあふれたエッセイです。

バッタの生態ももちろんのこと、でもそれよりも興味深いのが、全然馴染みのない(当社比)国であるモーリタニアの人々や生活、習慣など。見たこともない国のことが細かく記録されていて、そこに少し筆者の突っ込みも混じり、もう本当に面白い。

 

バッタを研究したいが下手なためなかなか捕まえられず、思いついたのが地元の子どもに捕まえてもらうこと。ほんの少しのお小遣いと交換に、バッタを捕まえてきてくれと2,3人に頼んだら、みるみる子どもの数が増え、しかも持って来たバッタは大事に大事に握りしめられていて瀕死、いやほぼ死。それなのに子どもの数は増えに増え、暴動寸前まで膨らんできて、このままでは私が圧死――――みたいなくだりは本当に面白かったです。

いえ、筆者の不幸を笑っているわけではなく。