紙たすインク、いこーる本

本が好き、音楽が好き、おやつが好き。自分メモも兼ねた紹介ブログです。

【スポンサーリンク】

「ことば」の真骨頂の狭間で見えてくるもの 【辞書になった男】佐々木健一

 

辞書になった男 ケンボー先生と山田先生 (文春文庫)

辞書になった男 ケンボー先生と山田先生 (文春文庫)

 

 小説ではなく、ノンフィクションです。

 

中学生の頃、国語辞典を眺めるのが趣味でした(暗い!)。

初めて見たことばにマーカーを付けたり、本を読んでいてよく分からないことばが出てくるたびに開いて、なるほどと頭が良くなった気になったり。

辞書を引くのは好きでしたが、複数の辞書を引き比べるなどということは、したことがありませんでした。

 

で、本題に入りまして。

 

これを読んだら、「三省堂国語辞典」と「新明解国語辞典」の2冊ともが欲しくなりますので注意。

 

「三省堂国語辞典」、略して「三国(サンコク)」。

「新明解国語辞典」、略して「新明解」。

 

ふたつとも国語辞典ですが、両者の性格はまるで逆。

「三国」は、いわゆる現代っ子。流行語や略語などをいち早く取り入れ、時代のニーズに沿っている感じです。

対する「新明解」は極めて真面目さん。語釈や用例からも、キッチリとお堅い感じが窺い知れます。

 

こんなに違いが出るのは、これらを作った人間の性格が表れているから。

「三国」を作ったのは、見坊豪紀(けんぼう・ひでとし)。

「新明解」の作者は、山田忠雄(やまだ・ただお)。

 

二人は盟友でしたが、ある事件をきっかけに絆をほどくこととなります。

 

彼らに何があったのか。

その謎を、辞書が教えてくれます。

 

***

 

(その謎を、辞書が教えてくれます)

↑って書いた、これは嘘ではない。

ホントにそのとおり、彼らは直接話し合うことをせず、ことばの用例文で、自分の気持ちや意見を書き表しているのです!

ちょっと!世に出るものに私情を乗せすぎや!!!(笑)

 

例を出したいのですが、どれがいいか決められず(笑)

この本読めば分かるのでもうこれ読んでー!

 

それにしても不思議です。

「ことば」を扱うプロフェッショナルなのに、直接ことばを交わすことができず、こんな方法で文通(←)するなんて。それとこれとは別なのでしょうか。

 

「あの日、なにがあった?」をベースにして話が進んでいくので、ノンフィクションなのにちょっとミステリーっぽくもあります。それも面白い。

 

あ、「キス」の語釈の違いのくだりで大笑いした人、私だけじゃないハズ。というか、絶対みんな笑ったハズだ。笑わないでいられる人いたかな……(笑)