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知らないということは、こんなにも幸せで、恐ろしい 【風が吹くとき】レイモンド・ブリッグズ

 

風が吹くとき (1982年)

風が吹くとき (1982年)

  • 作者: レイモンド・ブリッグズ,小林忠夫
  • 出版社/メーカー: 篠崎書林
  • 発売日: 1982/07
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 関連した事件等が最近あったとかでは特にないんですけど、ふと思い出したのでご紹介。

目に見えない放射能というものの恐ろしさを描いた本です。

 

ちょっと変わった構成というか、コミック形式で描かれているので、読み始めは慣れずに少し勝手が悪く感じますが、漫画慣れしている日本人はたぶんすぐに何とも思わなくなります。

 

ジムとヒルダはイギリスの片田舎に住む仲の良い老夫婦。

核爆弾とか放射能とか、ニュースではさかんに叫ばれていますが、遠いことのように思えて、正直あまりよく分かりません。

 

とりあえず、政府の指定する日に備えて、「シェルター」なるものを作ります。その日、その時間に、このシェルターに入っておけばいいのだな?くらいの認識です。シェルターは、壁に板を立て掛けてできた空間です。

 

そしていざ、「そのとき」が来ます。

 

手作りのシェルターを壊すくらいの勢いの大風が吹きましたが、それが収まってしまえば、いつもの風景、いつもの日常と変わらないように感じます。

なので二人はシェルターから出て、いつもの暮らしに戻りました。

 

だんだんと体調が悪くなっていくのを、自分たちの知っている病名(風邪とかそういうの)でしか片づけられないふたり。気晴らしにと日光浴までしたりします。

そして、容赦なく忍び寄ってくる最期――――。

その瞬間も、ふたりは自分たちに何が起こったのかが分からないままです――――

 

***

 

この本が出版されたのは80年代初めで、その頃は確かに放射能の認知度なんてこんなものだったのでしょう。

それから30年以上経って、情報なんてネットで山ほど入手できる時代にはなりました。

けれどやっぱり、目に見えないものを理解するのって、難しい。

そういう意味では、時代を問わず読んで損はないと思います。

 (ただちょっとトラウマになるかもしれませぬ。)

風が吹くとき デジタルリマスター版 [DVD]

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