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有無を言わせぬ怖さ、流石です…… 【緑の我が家】小野不由美

 

新装版 緑の我が家 Home, Green Home (講談社X文庫)

新装版 緑の我が家 Home, Green Home (講談社X文庫)

 

 いつの間にか新装版になってた!

1990年に出た作品なので、もう29年経つわけですか。

普通なら古本屋の片隅に居を移してもおかしくないくらいの年月が経っているわけです。が、なんと新装版として再来とは。この作品の実力がどれほどのものか、これだけでもお察しではなかろうか。

 

表紙がこんなにイケメンになっちゃって、逆に買いづらいじゃないのよ。ねえなんでネクタイだけ靡(なび)いてんの?

 

とかいうツッコミをして、自分の心を和ませておきましょう。

笑えるの、今だけだから。

読みはじめたら恐怖でそんなどころじゃなくなります。

あ、夜読むのは止めた方がいい。

ホントに。

 

主人公は高校生男子。表紙のあのイケメンですね。

父親が再婚したのをきっかけに、主人公はひとり暮らしを始めます。

ハイツ・グリーンホーム。

最初にそのアパートを見たとき、ひどく嫌な気分がしたのは、気のせいではなかったようで――――、

無言電話、不気味な落書き、白紙の手紙など、不可解なことが続いて、そして。

「嫌な気分」の正体とは……

 

***

 

初版が出た頃は、まだ個人が携帯電話を持ってるなんてごく稀だった時代。

若者のひとり暮らしには、固定電話が付きものでした。

スマホなどの普及で、今でこそ家に固定電話のある若者ひとり暮らしのパターンは珍しい感じになっていますが、そういう意味ではちょっと新鮮かもしれません。無言電話は固定電話からかけられてきて、うんざりした主人公がジャックをブチィッと引っこ抜く場面があります。

 

そして子どもの落書きがこんなに怖いなんて思いもしなかった。

ページをめくるたびに恐怖が加算されていく系です。

 

もうヤメテ!読者のライフはゼロよ!

ってくらいに読み手の心を恐怖で満ッタンにさせておいて、でもラストにホロッとくるという救いあり。

 

なんだこれ飴と鞭が絶妙すぎて戸惑うんですけども