紙たすインク、いこーる本

本が好き、音楽が好き、おやつが好き。自分メモも兼ねた紹介ブログです。

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食いしん坊の黒歴史 【シガービスケット】

おやつの話をちっともしていませんでした。ニーズのことはあまり考えないようにして、しかしこれまでの「おやつ」カテゴリがたった2記事だけとは情けない。

ちょっとおやつの話をば。

(※注意:もう時効と言いたいところですが、少し犯/罪/話かもしれません。不快に思われた方がいらっしゃいましたら、申し訳ありません。)

 

先日、買い出しに行ってお菓子コーナーを物色していたら、(自分にとっての)黒歴史を見つけました。

 

シガービスケット。メーカーは数あれど、なんかもういつの時代からあるのってくらい、古株のお菓子です。 

北陸製菓 シガーフライ 280g

北陸製菓 シガーフライ 280g

 

  今はだいぶ少なくなってしまったけど、昔は200gくらい気前良く入っていたものでした。消費税が増えていっても値段は昔とほとんど変わっていないイメージなので、内容量を少なくすることで時代に対応したのでしょう。どの商品も似たような感じで対策してますね。

 

子ども時代、我が家はお小遣い制度のない家庭でした。「お小遣いをもらう」という体験をほとんどしたことがありません。夏休みに裏庭の草むしりを課されたとき、やる気を出させるために1時間100円という時給が付いたこともありましたが、それも稀でした。

 

時は私が中学2年のときにさかのぼります。

成長期まっただ中の私は、いつでも腹を空かせていました。おやつでも買い食いしたい気分ですが、当然私はおやつを買うお金がありません。同級生たちは学校の帰りにちょっくらどこかへ寄って、漫画を買ったりお菓子を買ったりして中学生らしい放課後ライフを楽しんでいましたが、私は帰り道にある書店で立ち読みだけしていました。今考えたら迷惑な客です。

 

さてその日も私は書店に寄り、立ち読みをした後、文房具コーナーへふらりと入りました。本も好きですが、文房具も好きです。でもどうせ買えないので、持っているところを妄想しながら見るだけです。

メモ帳コーナーの前を通ったとき、ふと足元で何かが鈍く光った気がしました。

(あ、)

100円玉でした。

 

瞬間、私はその100円を踏んでいました。隠したのでした。

自分の中で、どく、と心臓が波打ったのが分かりました。

 

どうしよう。

 

拾い上げて、レジに届けるのがセオリーでしょうか。

でもレジの係の方だって、それをどうするの?売上に関係ない100円です。売上として計上するのも変な話です。

 

警察に届ける?

あ、交番ちょっと遠い。めんどくさい。

 

どうしよう、

どうしよう。

 

お金を持っていない私は、その100円がものすごく魅力的に見えました。

そっと足をどけて、

拾い上げました。

大急ぎで書店を出ました。

 

悪いことをしたという恐怖と同時に、100円を持っているという嬉しさが自分の中で暴れました。100円。どうしよう、何買おう。

 

欲しい本は幾つもありましたが、どんなに安くても100円では買えません。お小遣い制度があれば、目標の本が買える値段に届くまで「貯める」ことができますが、私にはその選択肢はありません。

 

この100円がこれ以上膨らむ可能性はない。

だったら、今消費しよう。そのままスーパーへ向かいました。

 

いつでも腹を空かせている中学生です。

求めているものは、質より量です。

それで見つけました。どっさり入った、シガービスケット。88円とか98円とか……いずれにしても、100円で足りる値段でした。それを、買いました。

 

罪悪感は半端なかったけれど、嬉しさのほうが勝りました。

お菓子だ!おやつだ!

ワクワクでたまらない私は、その直後に気づきました。

家には持って帰れないことを。

 

私がお金を持っていないことは、親が一番よく知っています。そこへお菓子を出したら?これはどうしたのだと問うでしょう。私が100円を盗ったことを知り、怒るでしょう。

部屋でこっそり食べることもできません。部屋は、きょうだい共同でした。親に密告され、やはり怒られる結末しか見えません。

 

かくなるうえは。

 

私は帰り道にある牧場の隅の木陰で、罪の塊を全部胃の中に納めたのでした。

飲み物もない状態でよく食べられたなと思いますが、あのときは全く気になりませんでした。「悪いことをして得たお金で物を買い」、それを「隠れて食べる」という罪悪感が、美味しさを更に引き立たせていました。

ものすごく、幸せでした。

 

そうしてぺろりと200g食べきった私は、基本真面目なためゴミをそこに捨て置くことができず、小さく小さく畳んでカバンの底に隠し込んで、何食わぬ顔をして家に帰りました。その後、これまた何食わぬ顔をして夕食を平らげました。

 

困ったのは最後のゴミの処理。

家のゴミ箱に捨てるとバレそうです。かといって学校に捨てるのもまずい。道端にポイ捨てはダメ絶対。

シガービスケットの袋はしばらくの間、カバンの底にハンカチに包まれて隠されることとなりました。

 

シガービスケットを見るたび、私はあのときの罪悪感と喜びを思い出し、なんとなくどことなく、いたたまれない気持ちになるのです。

 

 ↓今はこんな可愛いのもあるんですね。

北陸製菓 ミニシガーフライ 25g×60袋

北陸製菓 ミニシガーフライ 25g×60袋