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笑顔で近づいてくる気味悪さ 【火の粉】雫井脩介

 

火の粉 (幻冬舎文庫)

火の粉 (幻冬舎文庫)

 

先日、「気持ち悪い女」として1作品挙げましたが。

 これ↓

oyasuminminzemi.hateblo.jp

 

「気持ち悪い男」をひとりご紹介しようと思います。

 

あらすじ:

梶間勲(かじまいさお)は元裁判官。かつて担当した事件の被告人・竹内は冤罪であると判断し、無罪を言い渡した。

 

退職後、大学の教授となった勲。

ある日、オープンキャンパスの講義に竹内が参加しているのを見つける。

あの時は本当にお世話になりました。感謝してもしきれません。

挨拶がてら、かつての礼を口にする竹内に、勲も世間話の範囲で最近マイホームを購入したと話した。

後日。隣に引っ越してきたと挨拶に来た隣人は、竹内だった。

偶然ですねと驚く竹内に、勲は引っかかるものを覚えたが、物腰柔らかく笑顔の絶えない彼は、純粋に梶間家と親交を深めたいだけのようにも見えた。

のちに大きな事件に繋がっていくとは、この時点ではまだ気付けなかった――――。

 

***

 

竹内がロックオンしたのは、勲の妻・尋恵(ひろえ)。

恋愛感情とかではなく、懐いた。そんな感じです。

この「懐いた」の上に、「異常に」と付けましょう。

 

尋恵のためなら、人さえも殺します。尋恵にいっさい疑惑がかからない方法で。

「奥さん、奥さん」

自分と尋恵の仲を引き裂く(←)ものは排除します。

 

「奥さんだけは、信じてくれるでしょう……?」

「奥さんだけは、僕のこと嫌いませんよね……?」

 

ヒィ(震)

 

竹内はもちろんクズですが、実は出てくる登場人物が、男全員クズっていうのも凄いです。つまり、主人公の勲もクズなのね。

外では偉い立場なのかもしれませんが、家では基本的に何もしない。自分の母親の介護も、妻と嫁にやらせています。

息子もクズです。司法試験の勉強中ということで、無職です。嫁にいろいろ指図だけして偉そうです。

 

タイトルの「火の粉」というのは、飛んできたときにぱっぱと払ってしまえば燃え移ることはないけれど、放っておけばいつしかそれは炎になり、広がり、やがて炎上するということを指しているようで。

 

早い段階で火の粉を振り払うことができず、結果として家族を危険な目にあわせてしまった男(たち)の話、といえば分かりやすいというか。

 

半分ストーカーになっている竹内が次何をしてくるのか恐怖で、一気読みするしか方法がないww

 

↓ドラマだとラストが変わっていて違和感という評判。

火の粉 DVD-BOX

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