紙たすインク、いこーる本

本が好き、音楽が好き、おやつが好き。自分メモも兼ねた紹介ブログです。

【スポンサーリンク】

分かる……分かるぞそのマニアックな気持ち……【段ボールはたからもの】島津冬樹

 

段ボールはたからもの 偶然のアップサイクル

段ボールはたからもの 偶然のアップサイクル

 

9年間、段ボールを拾って生きている男

(そして今も止めない男) 

 

小説ではありません。

環境保全の本でもありません。

エコ工作の本でもありません。

 

自分がどれだけ段ボールが好きか。

段ボールへの愛を惜しみなく叫んでいる本です。

 

段ボールの素晴らしさ、機能性、お茶目なところ、可愛らしさ、カッコよさ、渋さ、頼りがいのあるところ、美しさ、そして香り。

どんだけ喋っても足りないくらい段ボール連呼してます。

 

段ボールを求めて世界を旅し、世界遺産よりもまず落ちている段ボールに躊躇いなくカメラを向ける段ボール偏愛者。面白すぎます。

 

〈中略〉

……すぐに見つけたのは、商店の裏にあった台湾ビールの段ボール。テープの跡など使った形跡があり、ラベルのデザインがそのまま段ボールに印字されて、「これはほしい」と思いました。店主に交渉したら、お金を請求されました。

 段ボールはタダじゃない。それはちょっとしたカルチャーショックでした。それまでは使い終わった段ボールのことを(僕にとってはたからものですが、多くの人にとっては)ゴミだと思っていたので、そこに金銭が発生するという考えがなかったのです。(中略)それが今、この異国の地でお金を請求されている。それがどんなものであれ、人がほしいというものには値段がつく。太古より続く貨幣経済の原理を突きつけられました。僕はその場に立ち尽くし、段ボールの料金を払いました。(中略)

 段ボールを買う。それはゴミではない。(中略)時に人は段ボールを買わなくてはいけない。この体験は、その後の僕の段ボール人生における大きな教訓となりました。

……

(「台湾 段ボールにお金が必要だったとは」より)

 

マニアックすぎてもう()

 

でもこの気持ち、すごくよく分かる。

私は幼いころから、大型トラックの、運転する車部分と荷台部分が連結している空間を見るのが好きで、今もなお現役です。

あの空間に、竹ボーキとかバケツが置いてあったりします。ホースを置いてあったりもします。雨の日の作業用にでしょうか、がある場合もあります。

あの空間にあるアイテムにより、そのトラックのオーナー(運転手)の、「自分のクルマ可愛がり度」が測れる気がして、見てるだけで凄く面白いのです。

でも人には分かってもらえません

 

トラックの連結部分の空間が好きだと言う同志にまだ逢ったことがありません。これからも逢えないのかもしれません。 

でも、周囲の数人に分かってもらえなくても、世に需要はあったのかもしれない。

自分だけが分かる萌えポイントをピックアップして延々語り、その萌えを写真に収めていれば今頃私もこんな感じで人口1%くらいの需要のある本が出せていたのかもしれぬと思うと、黙ってただニヤニヤして眺めるだけに留めていた歴代のトラックたちと私が過ごした時間が惜しくて堪らない。

 

……

話が逸れました。

 

段ボールへの偏愛っぷりも面白いけれど、文章もかなり上手いのでオススメ。落ち込んだらこれ読んでほしい。声出して笑えます。