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死刑のノウハウが脳髄にミシミシくる 【13階段】高野和明

 

13階段 (講談社文庫)

13階段 (講談社文庫)

 

 あらすじ:

無実の死刑囚の冤罪を晴らすため、刑務官・南郷は仮釈放中の青年・三上とともに調査を始める。

とはいえ手がかりはたったひとつだけ、死刑囚の「階段」の記憶のみ。彼は犯行時の記憶を失っているのだ。

残された時間はわずか。彼が死刑執行される前に、早く――――

2人は、無実の男の命を救うことができるのか。

 

 

***

 

ページをめくる手が止まらない……

もうどうしたらいいの……

 

2人の調査の進捗も気になるけれども、それと別に存在感凄い描写が、「死刑」

完全にこっちの方に気を取られてしまった。

 

死刑制度のあれこれから死刑囚の普段の様子、執行日の決まり方、執行の手順、執行する側の心情等々……よくこんなに綿密に取材されたものだなと圧倒されます。

描写が細かくて、読んで行くうちに脳内で状況が作り上げられ、綺麗に映像化されて行くのがはっきり分かります。執行を告げる側、告げられる側、執行までの刻々とした時間、刑場の様子、死刑囚の叫び、執行人の苦しみ、そして執行の瞬間。それはもう恐ろしいほどに。

知ることのない世界なので尚更です。

 

事件の調査を進めるのと同じ軸で、「死刑」というものについてずっと語りかけてくる本。

 

数年前、何かの機会にふと死刑の話題になって、現代の日本は絞首刑だと言ったら、60代前半男性と50代後半女性が、何言ってんだ日本は電気椅子だと言い始めたことがありました。

驚いて、いやちょっと調べたらすぐ分かる、絞首刑だと説明しました。

執行の様子を映像で流すことをしないだけで、執行方法については別に伏せられていません。

ところが今度は、そういうことを気にする(知ろうとする)お前が危ない、危険な思考を持っていると言われ、気味悪いものを見るような目で見られました。

 

そのとき思いました。

自分の国を知るべきだなと。

 

小説自体はミステリですが、司法や死刑制度、犯罪者の更生などについて、ものすごく勉強になりました。

フィクション小説で「勉強する」って、良いのか悪いのかちょっとうまく言えないけれども。

 

読んで絶対に損はない1冊です。

 

 ↓ドラマ化してたの知らなかった。

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