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警察関係者で誰か一人でもこれ読んだ人いる?【殺人犯はそこにいる】清水潔

 

殺人犯はそこにいる (新潮文庫)

殺人犯はそこにいる (新潮文庫)

 

何も言わず読んで欲しいの一言に尽きる。

 

岩手県のとある書店で、斬新な売り方をしたので話題になりましたね。

 

元々の表紙カバーの上に、その書店が独自で表紙カバーを付け、ぴっちりとビニールで覆って。本来の本の情報をいっさい隠した状態で店頭に出しました。 

書店独自の表紙カバーには、書店員のセールストークが手書きで書いてあります。目を引くようなカラフルさはなし。黒いペンと鉛筆(?)のみでただただ、「読んで欲しい」という思いが書いてあります。

その状態で分かるのは、値段とページ数と、どうやら小説ではないようだということ。

 

不気味な静けさで「読め」と迫るこの本に気圧されて、わけが分からないまま購入した方も多いのではないでしょうか。そして、買った方はこの買い物が決して失敗ではなかったと思ったでしょう。

 

発売から3年ほど経っていますので、さすがに今書店に並んでいる分は、ビニールで覆われてはいません。開いて中を見ることができます。

でも、あの表紙カバーは健在で、今も異彩を放っています。

 

表紙カバーにはこう書かれています。

 

申し訳ありません。僕はこの本を、どう勧めたらいいか分かりませんでした。どうやったら「面白い」「魅力的だ」と思ってもらえるのか、思いつきませんでした。

だからこうして、タイトルを隠して売ることに決めました。

この本を読んで心が動かされない人はいない、と固く信じています。

500pを超える本です。怯む気持ちは分かります。

小説ではありません。小説以外の本を買う習慣がない方には、ただそれだけでもハードルが高いかもしれません。

それでも僕は、この本をあなたに読んで欲しいのです。

これまで僕は、3000冊以上の本を読んできました。その中でもこの本は、少しでも多くの人に読んで欲しいと心の底から思える1冊です。

この著者の生き様に、あなたは度肝を抜かれそして感動させられることでしょう。こんなことができる人間がいるのかと心が熱くなることでしょう。

僕らが生きる社会の不条理さに、あなたは憤るでしょう。知らないでは済まされない現実が、この作品では描かれます。あなたの常識は激しく揺さぶられることでしょう。

あなたもこの作品と出会ってほしい。そう切に願っています。

――――

 

本当にこの書店員さんの言葉に尽きると思う。

 

中身は、ジャーナリストである清水潔さんの、事件を追った手記です。手記で合ってるのかな。ルポルタージュ?

 

1979年から1996年にかけて栃木県足利市と群馬県太田市という隣接する2つの市で起こった未解決事件。5人の少女が行方不明になり、4人が死体となって発見された。

清水さんはこの事件に不審を抱き、徹底した調査と驚くべき執念で事件を追い、ついには真犯人の特定まで迫っています。

 

それなのに。

 

それなのにこの事件は、不当な捜査、杜撰な証拠、司法による重要な事実の隠ぺいなどで、「未解決事件」として今も片付けられている状態です。

 

恐ろしいのは、真犯人が普通に社会に放たれているということ。

犯人の名前こそ出していないものの、清水さんは犯人の特徴から居住地まで調べ、ほぼほぼ特定できるところまできています。

 

なのに、誰も動かない。

知らなかった事実に、怒りさえ感じます。

 

何してるんだろう、警察。

このままずっと「残念ですが、未解決事件です」で行く気なんでしょうか。

 

「こんなマイナーなところでネズミ捕り……ッッ!!!しかも朝の6時にさ……!!」

とかやってないで(いやそれも大事かもしれないけど、)もっと大事なことってあるんじゃないのって思ってしまう。

 

全国の警察関係者で、誰か一人でもこれ読んでる人いたら、ぜひとも聞いてみたい。

 

「どんな気持ちでこれ読みましたか?」