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私は人を殺せるだろうか。合法でも?【ジャッジメント】小林由香

  

ジャッジメント (双葉文庫)

ジャッジメント (双葉文庫)

 

 

あらすじ:

大切な人を殺されたり、凶悪な事件が起きると、誰しも思うこと。

「被害者と同じ目に遭わせてやりたい」。

目には目を、歯には歯を。近未来の日本、「復讐法」が制定された。

この法律は被害者たちを救い得るのか。

 

***

1冊の中に短編で、いくつかのパターンが出てきます。

自分の子どもを未成年の少年たちに殺された父親。

両親にネグレクトされた少年。

などなど。

 

この復讐法には決まりがあって、

・復讐の仕方は、加害者と同じやり方

・執行者は、復讐法を適用したいと申し入れた本人

というのが大枠です。

 

先述の父親で言えば、自分の子どもは加害者に、拉致されて4日かけて殺された。なので執行の方法としては、自由の効かないところに彼らを閉じ込め(=拉致)、4日かけて殺す、ということですね。

そしてそれをするのは、父親です。

 

ネグレクト被害者の件ですと、両親を鎖でつないで自由を奪い、食べ物を与えず、ただそれを眺めて放置する。

された息子が、同じことをするんですね。

 

登場人物の心情も様々で、いろいろ読んでるこっちも抉られます。

冷静に冷酷に成し遂げる者もいれば、苦しくて苦しくて泣いている者もあり。登場人物全員が復讐を成し遂げるかどうかも注目すべきところです。

 

それからこれは、「ちょっと考えたら、まあそうなるよね」というところに行き着くんですが、復讐したら終わり、にはならないということ。

なぜなら、復讐した相手(加害者)にもまた、その相手を大切に思う人間がいるので。

 

「人呪わば穴ふたつ」という表現が当てはまるか分かりませんが、復讐者は、執行終了と同時に今度は「加害者」の立場になるわけです。

その覚悟まであって、「復讐法」を適用するか。そこも見どころです。

 

 

人を殺す。

普段なら考えもしない。だが、自分にとって大切な人を奪われたとしたらどうだろう。その悲しみは、加害者を同じ目に遭わせるだけのエネルギーになり得るだろうか。

私ならどうする。私なら。

読み終わった後も、しばらく考えてしまった1冊でした。

 

そして、 これが復讐(物理)ならこっちは復讐(精神)といえるものがこちら↓

 

刑罰0号

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